キックオフ・イベント 12月14・15日

2015年12月14-15日、神奈川県川崎市の研修センターを会場に、「サステナビリティとジェンダー ネットワーク」の立ち上げを行いました。【当日のプログラムはこちら】

参加者はこれまでの意見交換会のいずれかにご参加下さった方、新規ご参加の方、アドバイザリーグループメンバーです。スカイプでのご参加もありました。

先ず、これまでの3回の意見交換会の様子を共有しました。これにより参加者は、自分が参加できなかった会合の様子を知ることができ、その後の話し合いの共通の基盤ができました。各地で開催した意見交換会では、開催地域の参加者が地域外から訪問した参加団体の活動について知ることができただけでなく、地域内外の参加者も開催地での活動について知ることができ、プロジェクトの活動を通じて、交流の機会を提供できたことが確認されました。

続いて、初参加の特定非営利活動法人ウイメンズアイ(WE)の石本さんより活動のご報告がありました(http://womenseye.net/)。本プロジェクトでは、当初から持続可能な開発と防災を掲げておりこれまでも参加を呼びかけていましたが、今回ようやく仲間に加わっていただくことができました。石本さんはウイメンズアイの被災地の女性支援活動について、特に現在取り組んでいらっしゃる被災シングルマザーの会の活動についてもご紹介くださいました。さらに、2015年3月、第3回国連防災世界会議のプレイベントとして、世界各国の草の根コミュニティリーダーが集う「国際地域女性アカデミー」を引き受け、東北被災3県の次世代女性たちの研修を実施、コミュニティ・レジリエンスを支えるネットワークを作っていることを報告されました。この研修に集った次世代女性たちは、次の国連防災世界会議では、是非自分たちがセミナーを主催したいと準備しているとのお話しにみな力づけられました。

また、参加者からのリクエストで2015年9月にニューヨークで開催された国連持続可能な開発会議の様子と採択された持続可能な開発目標(SDGs)について、ニューヨークの会議に参加された星野さんと今井さんにお話していただきました。今井さんはスライドを使って国連の会議の様子を共有してくださり、星野さんは、SDGsの推進についての国内の取組み状況についてもお話しくださいました。これらの世界の話を聞き、今後ローカルの課題をいかにグローバルな活動に繋げるかが課題であることを実感しました。

さらに、各団体の地域での今後の取組みや手法についての報告や紹介がありました。例えば、菜の花ネットワークプロジェクトの藤井さんは、市民の参加によりさまざまな分野の活動をマッピングした「東近江 魅知普請 曼荼羅」を紹介されました。この方法は、既存の活動をつなぐものとして、また今後必要な活動を明らかにするための手法として好評で、参加者からは自分のところでも是非試みたいとの声が上がりました。また、スペースふうの永井さんは、市民と町議会が一緒になって、2Rに関する条例を議員提案で制定する活動をされており、市民主導で立法、行政機関との連携を作る動きとして参加者の関心を呼びました。取組みの成果が分かるように、リユース食器の環境への貢献を毎回広報に載せているそうで、フォローアップの重要性にも参加者一同、同感しました。勝浦さんは、香川の女性を紹介する冊子「輝く女(ひと)inかがわ」を紹介しながら、草の根で活躍している女性に光を当てる取組みについて示唆されました。大谷さんは、モノだけでなく人も地産地消が大事と、地域にある知恵と熱意と資金を動かし、相互に刺激し合う仕組みの重要性を強調されました。

これらの報告と話し合いを通して、皆が地域をどうにかしたいという気持ちで取り組んでいることから、地域をキーワードにする必要性が再確認されました。地方創生の動きが各地で活発なことから、地方創生にサステナビリティとジェンダーの視点を統合する必要性についても話されました。行政の下請けではない自立した市民を育てること、そのための活動を支援することこそが、地域創生にとってもジェンダー平等にとっても大切であることが合意されました。

アドバイザリーグループのメンバーからは、このプロジェクトの成果として新しい組織を作るのではなく、変革を起こす人や組織(change agent)を支援する活動であるべきこと、持続可能な開発のための活動は地域を核としたものであるべきであり、地域の活動にジェンダーの視点をどうくみこむかが重要、などの助言がありました。さらに、参加者からは、地域で環境に良い活動をしながら雇用をどう作るかが課題との発言や環境とジェンダー平等の交差をどう見える化するかが今後の課題との問題が提起されました。

また、草の根の活動では用語の使い方も大切ということで、いろいろな経験が共有されました。例えば、持続可能ではなく「孫子安心条例」とした滋賀県愛東町の例などは皆関心しきりでした。とはいえ、レジリエンスやSDGs、チェンジ・エージェントのように、新しい概念や言葉は次々と生まれます。これらを中学生も分かる、自分たちの誇りのなるものにするのは今後の課題です。同様に、ジェンダーや男女共同参画という言葉は地域社会では好まれないとの実情を踏まえて、このネットワークをどういう言葉で表すかも相変わらずの課題だということが同感されました。

このネットワークに連なる団体には、2016年に日本で開催されるG7伊勢・志摩サミットや2020年の東京オリンピック・パラリンピックを視野に活動を始めているところもあります。アドバイザリーグループのお一人廣野先生は、2030年までに地方の首長と地方議会の半分は女性にするとの夢を掲げられ、未来を見据えた視点に皆大いに刺激をうけました

最終的に、参加者は、地域が元気にするにはそれぞれの現場でがんばっている人が、つながっていくことが大切。そのような人がお互いに会って話をすることで、ヒントがみえてくる。つながりは大事ということで、今後もICTを利用してネットワークとしてつながろうということになりました。さらに、顔の見える関係を続けるために、今年したように、北海道から沖縄まで一緒に訪ねていこうということになりました。今後のネットワークは組織としてするのではなく、この指とまれまたは「ワールドカフェ」方式がよいのではなどのアイディアも出されました。そして、大切なのはその時、必ず若い人も一緒に参加するということも言われました。その第一弾として「なっちゃんとしく国頭村」や南三陸訪問、南相馬での菜の花プロジェクト全国大会など、つぎつぎとアイディが出されました。

こうして、緩やかにつながりながらつながりの利点を生かすネットワークとして新しい形で次のステップに踏み出すことになりました。

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